崖っぷち告白大作戦⁉︎〜彼氏と後輩に裏切られたら、何故か上司に寵愛されました〜
***

「ねぇ天莉(あまり)、俺、もう限界なんだけど……」

 手を離せばそのまま床にぺたりと倒れ込んでしまいそうな天莉を抱きしめたまま、(じん)が切なげな吐息を落とした。

「――今日は《《このまま》》……いい?」

 尽の問いかけに()ったばかりで(しゃ)のかかったぼんやりとした頭のまま、「……この、まま?」と天莉がつぶやけば、尽が固くそそり立った熱い(たかぶ)りを、天莉の臀部(でんぶ)にゆるゆると押し当ててくる。

「そう、このまま……。何も付けずに天莉の中へ挿入(はい)りたい」

「え……?」

 尽が言わんとしていることの意味にやっと思い至ったんだろう。
 天莉が驚きの声を上げて、自分を抱きしめる尽を見上げた。

「……尽くん?」

「俺は天莉との子供が欲しい……。許可してくれる?」

 そう話している間も、ずっと下腹部では尽の欲望が天莉の肌にゆるゆると擦りつけられていて。

 天莉は、尽が今すぐにでも気持ちよくなりたいのを懸命にこらえながら、天莉の意志を尊重すべく答えを待ってくれているのだと悟った。

 性行為は二人の愛を確認するためのモノであると同時に、子孫を残すための手段でもある。
 そんなことは天莉にだって分かっていた。

 分かっていたのだけれど――。

 こんな風に面と向かってそれを突き付けられるとは思っていなくて、驚いてしまったのだ。

「……本気……なの?」

「……冗談でこんなことを言えるほど、俺はふざけた男じゃないつもりなんだけどな?」

 ギュウッと天莉を抱く腕に力が込められて、天莉は尽にとても失礼な問いを投げ掛けてしまったんだとハッとして。
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