崖っぷち告白大作戦⁉︎〜彼氏と後輩に裏切られたら、何故か上司に寵愛されました〜
近くにあったバスタオルで軽く天莉の髪の毛を拭いてやりながら言ったら、
「私ね、尽くんのそういうところが凄く好きなの……」
天莉がポツリとつぶやいて、タオルの隙間から尽を柔らかな眼差しで見上げてくる。
あえて口にはしなかった天莉だったけれど、きっと横野博視は天莉が求めるような他者への配慮に欠けるところがあったんだろう。
その辺りのテンポが合わないと、一緒にいてしんどかったはずだ。
天莉への散々な対応を見聞きして知っている尽には、それが容易に推察出来て――。
「まぁ、家なら遠慮なく濡れたままの天莉をベッドに降ろして、俺もそのままキミに覆い被さったんだけどね」
ククッと笑いながら冗談めかして言ったら、「それ、びしょ濡れのシーツとか綺麗にするの、私なんだけどな?」と天莉が笑いながらぷぅっと頬を膨らませて見せる。
「おや、心外だな? 俺だってシーツの取り換えくらいは……」
「出来るの?」
「…………善処しよう」
尽が、生活能力が壊滅的にダメなことは天莉にはとっくにバレている。
天莉が一緒に住んでくれるようになるまでは基本的に家事全般は通いのハウスキーパーや、直樹に任せっきりにしていた尽だ。
今更〝出来る〟と取り繕ったところで、無駄なことは分かっていたから。
素直にそう告げて白旗を上げて見せたら、天莉がクスッと笑った。
「だが、俺もちゃんと出来るようになれる努力は惜しまないつもりだ」
実際、尽は物覚えが悪い方じゃないし、やり方さえ学べば割とすぐに何でも卒なくこなせるようになる。
自信満々に言い切って、水気を粗方ふき取り終えた天莉を再度横抱きにしながら尽が言ったら、天莉がどこか心配そうに尽を見上げてきた。
「尽くんが、学べば何でもすぐに出来ちゃうようになる人なのは私も知ってるよ? けど……副社長さんになって、お仕事忙しいよね? だから。そんな……無理はしなくて大丈夫だよ? 私、家事するの、苦じゃないから」
「気遣ってくれて有難う、天莉。けどね、俺は仕事とプライベートはなるべく分けて考えたい主義なんだ」
「私ね、尽くんのそういうところが凄く好きなの……」
天莉がポツリとつぶやいて、タオルの隙間から尽を柔らかな眼差しで見上げてくる。
あえて口にはしなかった天莉だったけれど、きっと横野博視は天莉が求めるような他者への配慮に欠けるところがあったんだろう。
その辺りのテンポが合わないと、一緒にいてしんどかったはずだ。
天莉への散々な対応を見聞きして知っている尽には、それが容易に推察出来て――。
「まぁ、家なら遠慮なく濡れたままの天莉をベッドに降ろして、俺もそのままキミに覆い被さったんだけどね」
ククッと笑いながら冗談めかして言ったら、「それ、びしょ濡れのシーツとか綺麗にするの、私なんだけどな?」と天莉が笑いながらぷぅっと頬を膨らませて見せる。
「おや、心外だな? 俺だってシーツの取り換えくらいは……」
「出来るの?」
「…………善処しよう」
尽が、生活能力が壊滅的にダメなことは天莉にはとっくにバレている。
天莉が一緒に住んでくれるようになるまでは基本的に家事全般は通いのハウスキーパーや、直樹に任せっきりにしていた尽だ。
今更〝出来る〟と取り繕ったところで、無駄なことは分かっていたから。
素直にそう告げて白旗を上げて見せたら、天莉がクスッと笑った。
「だが、俺もちゃんと出来るようになれる努力は惜しまないつもりだ」
実際、尽は物覚えが悪い方じゃないし、やり方さえ学べば割とすぐに何でも卒なくこなせるようになる。
自信満々に言い切って、水気を粗方ふき取り終えた天莉を再度横抱きにしながら尽が言ったら、天莉がどこか心配そうに尽を見上げてきた。
「尽くんが、学べば何でもすぐに出来ちゃうようになる人なのは私も知ってるよ? けど……副社長さんになって、お仕事忙しいよね? だから。そんな……無理はしなくて大丈夫だよ? 私、家事するの、苦じゃないから」
「気遣ってくれて有難う、天莉。けどね、俺は仕事とプライベートはなるべく分けて考えたい主義なんだ」