崖っぷち告白大作戦⁉︎〜彼氏と後輩に裏切られたら、何故か上司に寵愛されました〜
「ねぇ(じん)くん。赤ちゃんが生まれたら、お風呂にも入れてあげてくれる?」

「ああ。いつも風呂場で天莉(あまり)を綺麗にしてやってるみたいに、赤ん坊も俺がピカピカにしてやろう」

 ククッと笑った尽に、天莉が「尽くんの……バカ……」と耳まで真っ赤にして尽の首筋にギュウッとしがみ付いた。

「私たち、まだ子供も出来てないのに夢物語みたいなこと、いっぱい話しちゃったね。けど……そんな日が一日も早く来るといいなって……思うの」

 尽は自分の耳元、囁くように希望を述べてきた天莉の温もりを腕の中に感じながら、「そうだな」とうなずいた。


***


 ベッドに天莉(あまり)を下ろすなり、(じん)は愛しい妻の身体中にキスの雨を降らせた。

 おでこ、鼻先、両頬、唇、あご、両肩、鎖骨、それから――。

 唇には特に念入りに口付けをしたのは言うまでもないのだけれど、先ほど脱衣所で羽織らせたバスローブの前をはだけさせながら、ふわふわの乳房の先、期待に震えてツンと立ち上がった乳首も丹念に優しくねぶった。

「あ、……尽く……、んっ」

 天莉は尽と出会ったばかりの頃、セックスが好きではないみたいだった。

 横野(よこの)博視(ひろし)のせいで、男に触れられている間、声を出すことはいけないことだと刷り込まれていたようだし、性行為で気持ちいいと思ったこともないみたいで、何なら挿入は『痛い』ことだと認識している嫌いさえあった。
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