崖っぷち告白大作戦⁉︎〜彼氏と後輩に裏切られたら、何故か上司に寵愛されました〜
直樹が好きなのは妻の璃杜だけだと思えるから……天莉は直樹に対して微塵も異性としての危機感を覚えずに済む。
見た目こそ、二人ともスーツの似合う美丈夫と言った尽と直樹だが、尽からはこんな風に距離を空けていても尚、気まずいくらいのセックスアピールを感じてしまうのに。
直樹からはどんなに距離が詰まってもそれを感じない。
(あんな風に一途に想ってもらえる奥様は幸せね……)
ふとそんなことを考えた途端、博視と紗英のことを思い出してしまって。
天莉はズキッと刺すような胸の疼きに、鼻の奥がツンと痛んだ。
(ダメ……)
幸い、今二人の視線は天莉に向いていない。
こちらを向かれる前に、瞳にジワリと張った涙の膜をどうにかしないと……。
そんな風に思ってソファの上。
天莉は身じろぎ出来ないまま、瞬きの回数を極力抑えて涙が頬を伝い落ちてしまわないよう頑張った――。
***
背中越し、ふと天莉の方を見た尽は、彼女が必死に涙をこらえていることに気が付いた。
粗方何かをきっかけに、元彼のことでも思い出したに違いない。
そう思ったら、何だか物凄くムカムカしてきてしまった。
尽は視線だけで直樹に、『今から俺がすることに一切口を挟むな』と釘を刺すと、気持ちを切り替えるように小さく吐息を落とした。
そうして――。
見た目こそ、二人ともスーツの似合う美丈夫と言った尽と直樹だが、尽からはこんな風に距離を空けていても尚、気まずいくらいのセックスアピールを感じてしまうのに。
直樹からはどんなに距離が詰まってもそれを感じない。
(あんな風に一途に想ってもらえる奥様は幸せね……)
ふとそんなことを考えた途端、博視と紗英のことを思い出してしまって。
天莉はズキッと刺すような胸の疼きに、鼻の奥がツンと痛んだ。
(ダメ……)
幸い、今二人の視線は天莉に向いていない。
こちらを向かれる前に、瞳にジワリと張った涙の膜をどうにかしないと……。
そんな風に思ってソファの上。
天莉は身じろぎ出来ないまま、瞬きの回数を極力抑えて涙が頬を伝い落ちてしまわないよう頑張った――。
***
背中越し、ふと天莉の方を見た尽は、彼女が必死に涙をこらえていることに気が付いた。
粗方何かをきっかけに、元彼のことでも思い出したに違いない。
そう思ったら、何だか物凄くムカムカしてきてしまった。
尽は視線だけで直樹に、『今から俺がすることに一切口を挟むな』と釘を刺すと、気持ちを切り替えるように小さく吐息を落とした。
そうして――。