崖っぷち告白大作戦⁉︎〜彼氏と後輩に裏切られたら、何故か上司に寵愛されました〜
天莉は先程尽が言ったように、確かに猫グッズが好きだったけれど、婚姻届ともなると話は別だ。
まるで《《自分のために》》用意したんだと言わんばかりに置かれた眼前の書類に、天莉はどう反応したらいいのか分からなくなる。
さっき夕飯のことで問い掛けられた時もそうだったけれど、尽はやたらと天莉の情報に詳しい気がして。
そのことにもゾクリと背筋が寒くなった天莉だ。
いささか強引なところはあるけれど、まさかこのハイスペックな高嶺常務ともあろうお方が、一介の平社員である自分にストーキング行為をしていたとは思いたくない。
「な、んで……」
それで、天莉はひとまず婚姻届のことは頭の外へ無理矢理追い出して、そこを問い詰めてみようと思った。
「ん?」
「高、嶺常務は……私が猫グッズが好きだとご存知なんですか? ……さっき、夕飯の件で好き嫌い云々について尋ねられた時にも違和感があったんですけど……」
なるべく尽から距離を取るように身体を右側へ傾けつつ。
懸命に言葉を絞り出したら、クスッと笑われてしまった。
「何だ、キミはそんなことを気にしていたのか」
言って、尽は何でもないことのようにスーツの内ポケットから取り出した高級そうなペンを婚姻届の傍に添えると、「たまたま《《別件で》》キミのことを調査していたからね」と微笑んだ。
まるで《《自分のために》》用意したんだと言わんばかりに置かれた眼前の書類に、天莉はどう反応したらいいのか分からなくなる。
さっき夕飯のことで問い掛けられた時もそうだったけれど、尽はやたらと天莉の情報に詳しい気がして。
そのことにもゾクリと背筋が寒くなった天莉だ。
いささか強引なところはあるけれど、まさかこのハイスペックな高嶺常務ともあろうお方が、一介の平社員である自分にストーキング行為をしていたとは思いたくない。
「な、んで……」
それで、天莉はひとまず婚姻届のことは頭の外へ無理矢理追い出して、そこを問い詰めてみようと思った。
「ん?」
「高、嶺常務は……私が猫グッズが好きだとご存知なんですか? ……さっき、夕飯の件で好き嫌い云々について尋ねられた時にも違和感があったんですけど……」
なるべく尽から距離を取るように身体を右側へ傾けつつ。
懸命に言葉を絞り出したら、クスッと笑われてしまった。
「何だ、キミはそんなことを気にしていたのか」
言って、尽は何でもないことのようにスーツの内ポケットから取り出した高級そうなペンを婚姻届の傍に添えると、「たまたま《《別件で》》キミのことを調査していたからね」と微笑んだ。