夏の終わり
伝説の美少女

少女に

軽井沢での合宿が終わり、群馬の家に戻ると夏はまだ終わっていなかった。
あんなに秋めいていた軽井沢の心地良い風が懐かしく感じる。
少女との出会いは、軽井沢のテニスコート。
私の仕事はテニスのインストラクター。毎年スクールの生徒を伴って8月の初めから31日まで合宿をしている。
生徒たちは一週間ごとに入れ替わるがインストラクターは私一人通しで担当している。
地方の貧乏なテニス倶楽部の格安プランのスクールなので仕方がない。
毎年倶楽部のオーナーにアシスタントインストラクターを一人お願いするが、毎年却下されてしまう。今年も結果は却下。
あわただしい合宿の二週目に彼女は私の前に姿をあらわした。
ショートカットでスラリとした小麦色に焼けた肌をしているのはテニスをしている少女であれば誰も変わらないが、彼女は顔が小さく首が長い。いわば八頭身。ちょっとだけ視線を少女に留めただけで生徒にからかわれる始末。
気になる少女のことを必死に忘れるように、スクールのカリキュラムに専念していたが、休み時間になってすぐに少女に見入ってしまった。
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