夏の終わり
伝説の少女という言葉が頭に浮かんだ。高校二年生の夏休み。
わたしは朝練に行く途中の橋の上ですれ違う少女のことをそう呼んでいた。
絵に描いたような美少女にはそれ以来出会ったことはない。高校を卒業してから七年もインストラクターをしているが、スクールの生徒に恋愛感情をいだいたことは一度もない。
生徒から誘いを受けたことはあるが食事以上の関係に進展したことはない。
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