夏の終わり
デジャブ。
この光景をどこかで?
いつだったか?なかなか思い出せない。過去のアルバムをゆっくりと辿るように、私は思いを過去のあの日にたどっていった。
『すみません!ボールを取って下さいますか?』確かお嬢様言葉にドキッとして時間が止まったような瞬間であった。
そうだ!8年前の同じ日に同じ場所で同じ顔の美少女に会っていた。
記憶の片隅から湧き出て来た少女の声を今そこにいる少女から聞いた錯覚にとらわれていた。
「コーチ。そろそろ再開しませんか?」今日の生徒リーダー律子の声を聞いて我に返った。
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