言の花箱~交響詩片~

影追い~

そっと瞳を閉じて
優しい手に引かれていく
思い出の日々はいつも
夢の中に埋もれて

戻りたいあの日には
さ迷い歩くけど
どこまで行っても
戻れはしない
わかっているのに何故
涙は溢れるのか

この手の中に
願いはあるのに
今の僕一人じゃ
何も見えはしない
あなたの影さえ
遠い闇の中に
僕の瞳に残る
白い手の記憶
どこへ歩けばいい?

そっと目を開いて
にじむ空見上げてみる
うまく笑えない僕は
あなたの影を追って
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