言の花箱~交響詩片~

繋いだ手にそっと力を込めて
歌ってるあなたを見詰める
秋に染まる木々のカーテンが揺れるの
オーロラみたいだね
やがて雪がやってきて
秋を隠しても
あなたと歩いていられるかな
不安は涙になって 水溜りを作るよ

「傍にいるから」
穏やかな声と優しさ
テレながら声を かけてくれたね
「ありがとう ごめんね」
何も言えないまま
無言でうなずいた私を
子供みたいに抱きしめてくれた

ひらり落ちてきた 楓の葉を拾い上げ
おどけるあなたに 
笑顔で「好き」といえた
時よ止まれと 心で願う
楓の葉が飛んでいくの
風や時間と一緒に 二人だけを残て

秋は雪に隠れて 冬の中眠るけど
雪が溶けたら
春に生まれ変わって新しい季節を行くの
私達もいつか変わるかな?それでも一緒にいられるかな・・・

いつの日か もし二人の道に終わりがきたら
笑顔で 別の道を歩こう
そして信じよう 新しい道がまたどこかで
一つに繋がること
手を繋いで歩く二人の未来を

だけど今は 
微笑むあなたを見上げながら  
繋いだ手に想いを込めて
寄り添って歩くの
次の秋も二人でいられるように
ずっと笑顔でいられるように
舞い遊ぶ楓の葉に祈りを託して
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