排他的に支配しろ


「その話は追々二人でやってもらっていいかしら? 本題があるのよ。座りなさい」



 動揺するルイくんを見かねて、ルカさんが口を挟んだ。

 そこでわたしとルイくんの交流は中断。

 襲った相手が友達になりたいだなんて言い出したら、戸惑うのも無理はないだろう。

 もし、また家に遊びに来てくれるときがあれば、お話したいな……。


 今いるのは、地下にある薄暗いお店だ。カウンターの前に並んだ席へ春日さんが座るので、その隣をもらう。

 わたし、春日さん、ルカさん、ルイくんの順番で横並びになる。

 お店の人などはいないようで、店内はわたし達だけ。



「今回の件についてだけど。まず、ルイが神上 臨に謝罪したいってことだったわ。それは今終わったわね」

「あれ、ルカからは?」

「ワタシ、頭を下げるのは命乞いのときだけって決めてるの」



 だから謝らない、と彼女はきっぱり言い放つ。

 気持ちいいくらいに清々しく。



「でも無許可で神上 臨を巻き込んだことに対しては、ワタシに非があるわ。お詫びはしっかり考えてきてるわよ」

「へえ、どんな?」

「花屋にできることなんて限られてるでしょう。神上 臨に有益な情報をあげる」


< 109 / 171 >

この作品をシェア

pagetop