排他的に支配しろ
「そういう百鬼会との繋がりもあって、南蜘蛛に来ることになったみたいだけど」
この街に来て、今までと違う生活を送って、時間が経つほど生きる意味が覆っていく。
特にわたしは疑問も持たないで先生達に従っていたから、自分で考えなきゃいけない場面が増えるごとに。
使い勝手がよかったんだろうなって……わからされる。
「ま、悪手だったかもね」
「……何が?」
春日さんが眉を潜める。
ルカさんは顔色を一切変えず、淡々と告げた。
「百鬼会に渡されるはずだった超能力者は失踪し、研究員も何者かに殺された……となると、百鬼会としても問題にせざるを得ないわよ」
────ドク、と心臓から血の巡る感覚が響く。
殺さ、れ……?
研究員って先生達のこと?
……わたしが、逃げたから?
「神上 臨、おまえ今、百鬼会に捜されてるわ」
殺された……死んだ、先生達が。
そこから思考が働かない。
ルカさんの言葉は聞こえていたけれど、意識から離れていた。
百鬼会、というのにわたしが見つかったとして。
先生達は、生き返らないから。