排他的に支配しろ
様々なことがぐるぐると回る。
何一つまとまってくれないのに、問題ばかり脳を圧迫した。
先生達は悪だったけれど、死んでほしかったわけじゃない……。
「なるほどねえ……。たまたま俺が保護したから、奇跡的に見つかってないわけだ」
「あなた、百鬼会から異様に嫌われているものね」
「俺と関わったってなんの利益もないからだろうね~」
「そうね、ワタシも大嫌い。損をするだけだもの」
「今みたいに?」
「よくわかってるじゃない」
冷えていく体を、春日さんの手のひらから伝わる温もりがかろうじて繋ぎ止める。
二人の言葉が、全然入ってこない……。
「話は以上よ。本気でお気に入りなら、奪われないよう気を付けることね」
ルカさんが立ち上がった。
お開きの雰囲気らしい。わたしはまだショックが強く、立てそうにない。
「ルイ、行くわよ」
「うん……」
ルイくんの悲哀に満ちた目が通り過ぎる。
今回のことは収束して、うまく転がっていくと、思っていた。
静まり返った空間に残る、わたしと春日さん。
俯くわたしに、春日さんはずっと手を添えてくれていた。