排他的に支配しろ


「わかった。見せるけど、今じゃない」

「……どうしてでしょうか」

「KEEP OUTにいる人みたいだから、咲を呼ぼうと思う。そのときに一緒に見よう……、」



 言葉が尻すぼんでいく。

 わたしを抱き枕のように扱い、春日さんは目を閉じる。

 それきり、何も喋らなくなった。


 ……え、寝てる……? 眠れそうにないって、春日さんも言ったのに。

 疲れてた、のかな……。これじゃほとんど気絶だ。


 かすかに聞こえてくる規則正しい寝息。

 無防備になった春日さんの頬を撫でる。


 もっと春日さんと過ごしたい。

 これは、間違いなく自分の意思だと言い切れるだろう。


 ──唇に、触れるだけのキスをした。

 口寂しいからじゃなく、彼を愛しているから。


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