排他的に支配しろ
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「コイツは天竺(てんじく) 灰(はい)です」



　タブレットに表示されたフードの男に対し、ピンク髪の男……百鬼 咲さんは答えた。

　迷いのない姿に驚く。だって、映像に顔はほとんど映っていない。

　判断できる要素とすれば、背格好や歩き方のみだ。



「確かに最近入ったヤツです。の割に仲間内の好感度が高くて、コミュニケーションが上手い印象でした」



　真剣な表情で百鬼さんは語る。

　前に会ったときと随分雰囲気が違う。



「灰って、ねずみ色ってことかな。テンジクネズミ──俗にいうモルモットのことだね。自らを実験動物だと謳いたいなら……」



　春日さんの目線がわたしを掠める。

　言いたいことは察した。わたしと同じ実験動物……キョウダイの誰か、ということだ。

　信じたくないけれど、たくさんいる中から性別や能力との兼ね合いも加味して一人に絞るとしたら……。


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