排他的に支配しろ
《心理》
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✦
「どこに行かれるのでしょうか」
ピタ、と足を止める。
玄関の扉に向かって歩くわたしを止めたのは、光峰さんだ。
背中を向けたまま、後ろからの圧に耐える。
「どうしても必要な外出なら私が同行します」
「……大丈夫です」
今朝、春日さんに用事があると聞いてから何度も様子を確認して、やっとタイミングを見つけたというのに。
「……ここが窮屈になりましたか」
「違い、ます」
一晩考えた。
穏便に済ませるなら、わたしがどうにかするのが一番だと思った。
キョウダイに、わたしから会いに行く。
百鬼さんが見つけるより先に。春日さんと会ってしまう前に。
そして話をしよう。彼の目的を聞いて、危険性がなかったら春日さんの元へ一緒に行けばいい。
春日さんから離れたいなんて、そんなこと……あるわけない。
「……“来ないでください”」
顔だけ振り向き、わたしは口を開いた。
近付こうとしていた光峰さんの動きが固まる。
街を歩くほとんどは、KEEP OUTの人達。
惜しみ無く“命令”を使ってキョウダイの情報を集めればいい。
「待って、ください。春日様は今、臨さんのために──」
光峰さんの忠告を無視して、自分の手で扉を開く。
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「どこに行かれるのでしょうか」
ピタ、と足を止める。
玄関の扉に向かって歩くわたしを止めたのは、光峰さんだ。
背中を向けたまま、後ろからの圧に耐える。
「どうしても必要な外出なら私が同行します」
「……大丈夫です」
今朝、春日さんに用事があると聞いてから何度も様子を確認して、やっとタイミングを見つけたというのに。
「……ここが窮屈になりましたか」
「違い、ます」
一晩考えた。
穏便に済ませるなら、わたしがどうにかするのが一番だと思った。
キョウダイに、わたしから会いに行く。
百鬼さんが見つけるより先に。春日さんと会ってしまう前に。
そして話をしよう。彼の目的を聞いて、危険性がなかったら春日さんの元へ一緒に行けばいい。
春日さんから離れたいなんて、そんなこと……あるわけない。
「……“来ないでください”」
顔だけ振り向き、わたしは口を開いた。
近付こうとしていた光峰さんの動きが固まる。
街を歩くほとんどは、KEEP OUTの人達。
惜しみ無く“命令”を使ってキョウダイの情報を集めればいい。
「待って、ください。春日様は今、臨さんのために──」
光峰さんの忠告を無視して、自分の手で扉を開く。