排他的に支配しろ
どうせ誰かに頼らないと解決できないなら、これ以上の味方はいないけど。
う~ん……。
「……百鬼会の拳銃が盗まれたという話、ありましたよね」
「どこから漏れたか知らないが……そうだな。盗人は見失ってわからずじまいだが」
「一抹製薬の子供であれができたのは誰だと思いますか」
突然投げ掛けた質問に、天鳳は俺をじっと見つめ……。
口角を弧に描く。
「ほう……そういうことか」
「約束は守ってくださいね?」
「当然、《支配》はキミに渡そう。だが、《心理》がいるなら、そちらは寄越していただきたい」
「百鬼会の人、何人かやった犯人ですよ?」
「それ以上に魅力的なものが彼にはあるということだ」
りんのときは渋りもしなかったところを見ると、その《心理》という子供は相当な手練れらしい。
「じゃあこれも勝負で。先に俺が捕まえたら、彼も俺の側に置きます」
「……、慈悲深さもここまでくると病気だな」
初めてここまでほしいと思ったんだ。
りんがいない日々はもういらない。
彼女が少しでも幸せになれるよう、最善を尽くす。