排他的に支配しろ
光峰さんはこの家のことをいろいろとやっているみたいだし、一緒にできることがあればいいと思うのだけれど……。
「家事の手伝いをしたいということでいいですね?」
「そ、そうです」
「じゃあ、自分の食事は自分で作ってください」
「はい、光峰さんの分も作りたいです……!」
「私のは別に……。はぁ、いいです、一緒にやりましょう」
二人で台所に立つ。
さすがに指輪はできないな……、と眺めていたら、光峰さんが首に掛けられるようにしてくれた。これで、ずっと身に付けていられる。
「この卵を混ぜておいてください」
「はい!」
実は、人生初料理だ。
光峰さんのを見ていてやりたいと思っていたから、気合いが入る。
「朝は卵料理が多いですよね」
「……ええ、まぁ」
「同じ食材から様々な料理ができあがるの、すごく面白いなって思ってたんです」
作り方によって見た目や味がころころ変わっていくところが、特に。
「食事のこと、ただの栄養補給だと勘違いしていました」
研究所にいたときは出されたものを口にすればいいだけで、見た目も味も重要なことではなかった。