ダイヤモンドのような恋
本気で走り合った結果、
私は優子に負けてしまった。
最後の最後で
石ころを踏み、
転びそうになった瞬間に
優子に
抜かれてしまったのだ。
でも、二人共ゴールすると
すぐに優子はお得意の
「大丈夫?」で駆け寄って
来てくれた。
やっぱり
優子って優しいな…。
もっと好きになる。
…負けちゃったのは、
ちょっぴり悔しいけどね。
ホントは私、
体育って結構苦手なんだ。
成績表に一度
4が付いてるのをみて
声をあげて
驚いた事がある。
けど
走ってみたかったんだもん。
優子と一緒に、
この学校の桜の下で…。
その後すぐに始まった
入学式はそんなに
大々的な感じでもなくて、
校長や主任の先生が
挨拶をした後、
「君達は我が校の新星…」
だとか
「この学校で社会のルールを身につけて…」
だとかを、
長時間喋りまくった。
その後
担当する先生の紹介に
なった。
ちょっと楽しみ!
私と優子は
右から2番目の
体育の先生がかっこいいとか
真ん中らへんの
社会の先生が
イケメンだとかで
バレないように盛り上がる。
先生達の紹介が終わると
生徒会の人達が出てきて
校歌を歌った。
…それで桜月高校の入学式は
終わってしまった。
なんか
思ってたよりも
呆気ない気がする…。
「あ〜!疲れた。
終わった終わったぁ!」
「これで私達も
高校生、かぁ〜…!」
いまだに慣れない響きを
口にする。