緑くんに告白されて。
「いや、私は緑くんを探さないと……」
「あれとは幼なじみだからいつでも見られるんでしょ?今は俺らと見ようよ」
思ったよりしつこい、同学年の彼ら。
「ご、ごめんなさい!花火は毎年絶対緑くんと見るって約束してて……!」
それでも彼らはしつこく誘ってくる。
すると。
「あ、いた。……申し訳ないんだけど、橙と一緒に花火見れるのは来年も再来年も10年後も20年後も俺って決まってるんだよね。じゃ」
後ろから現れて、私のことを抱き寄せた緑くん。
気づくと、絡んできた彼らは居なくなっていた。
こんな状況の中で、不覚にもドキッとしてしまった。
「み、緑くん!どこにいたの?」
「橙こそ。俺、チュロスの屋台の前に居てって言ったよね?」
「ご、ごめんなさい……」
私が待っていたのは、チュロスの屋台の前ではなく、そこから少し離れた場所にあるかき氷屋さんの前だった。
「ほんと、橙って抜けてるよね。可愛いからいいけど」