緑くんに告白されて。
「うるさい……私のこと幼なじみだなんて思ってないくせに……可愛いだなんて思ってないくせに……」
緑くんからしたらいきなり何の話?って思うかもしれない。
けど、あの人たちに言われてからずっと引っかかってて……。
「どうしたの?橙?」
俯く私のことを見て足を止めた緑くん。
「さっきの人たちが、緑くんは私のこと幼なじみって思ってないって言ってたの……」
泣きそうになるのを堪えながらそういった。
「正解かもね……」
「……へ?……」
“正解かもね”そう言い放った緑くんは、私の手を握って、いつも2人で花火を見ている場所の方向に私を引っ張っていく。
手を繋いでいるから物理的な距離感はないのに、心の距離感はとっても遠く感じる。
私たちの特等席へ向かっている途中に花火が始まってしまった。
花火は20分間。
そこまではまだ歩いて10分はかかる。