緑くんに告白されて。

すれ違い





「いよいよ明日から本番です。演者はもちろん、裏方のみんなもお疲れ様。明日からの3日間、悔いのないように1人1人精一杯頑張っていこう!」



監督が声を大にしてクラスメイト全員を鼓舞した。



時刻は23:00
やっぱり文化祭の前日準備は時間がかかってしまった。



早く帰って寝たいところですが、私は一緒に帰る約束をしていた緑くんを探していました。

20分前にトイレに行くと言って帰ってこないのです。



「緑くんどこに……」


そう独り言を話していると、校舎内の西階段で聞き慣れた緑くんの声がした。



「無理。なんで今更お前と」


「緑。お願い、私とやり直して。もう1回付き合って欲しい」




……え?


そこに居たのは緑くんと鶴間さんだった。



「だから……」

緑くんがもう1回断ろうとした時。



鶴間さんが緑くんにキスをしていた。



夜も更けつつある23時30分。
私は、その場面を見ていられず、走って逃げ出した。
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