緑くんに告白されて。
「ただいまより紅葉総合学園高等部、錦祭3日目を開催致します!」
学校中のスピーカーから流れる放送部の合図で、錦祭最終日が始まった。
私にとっては緑くんがいなくなったいつも通りではない、モノクロの3日目を迎えている。
好物のお兄ちゃん特製オムライスを食べても元気は出ないし、昨日の緑くんが主役の劇も見ることが出来なかった。
「昨日の3年5組の劇さ、主役の2人お似合いだったよね!」
「私もそう思う。2人ってもしかして付き合ってたりするのかな?」
「美男美女カップルすぎるでしょ!」
「キスシーンはホントにしてたって話も聞いたよ!?」
嫌だ。聞きたくない。
緑くんが私以外の女の子とだなんて。
絶対にいやだ。
「私、緑くんのこと大好きだ……」
気がつくと私は涙を流しながら学校を飛び出していた。