緑くんに告白されて。
仲直り
私は無心でひたすら走り続けていた。
随分走って私が足を止めたところは、緑くんに告白されたあの花火大会の場所。
花火大会の時は、夜だったから暗くて海は見えなかったけどお昼すぎの今はキラキラ光る綺麗な海がよく見えた。
「緑くんのばか……」
鶴間さんとはどうなったのかとか、緑くんはなんで私のことを見もしないのかとか。
思うことはもっと沢山あったけど、それよりも私の心の中はこれでいっぱいだった。
「緑くん……大好きだよ。だから、私から離れて行かないで……」
「やっと言った」
後ろを振り返ると、そこには息を切らしている緑くんが立っていた。
「みど……り……くん?なんでここにいるの?」
「ちゃんと橙と話をしようと思って」
ずっと垂れ流しだった涙がさらに大粒になった。
「好きだよ、緑くん。大好きなの。他の人のになっちゃうなんてやだ、だめ」
緑くんの話を聞く暇なんて無いくらい、必死に私の気持ちを伝えた。