緑くんに告白されて。




大学への進学が決まった時、すでに5つ穴が空いていた緑くんにお願いしてピアスの穴を開けてもらっていた。



「私の中、どんどん緑くんでいっぱいになってくね。嬉しい、ありがとう緑くん」


「どういたしまして」


「じ、実は私も用意してて……」



デートが決まってから考えに考えて昨日緑くんが髪の毛を染めている間にやっと決めた。



「嬉しいかわかんないけど、これ……」



そう言って緑くんに小さめの紙袋を渡した。



「これ……香水?」



迷いに迷った結果、香水という結果にたどり着いた。



「好きな匂いかわかんないけど……緑くんは私のものっていうマーク?みたいな……」


「そっか」



緑くんはその香水をつけるわけでもなく、袋の中にしまったかと思ったら、家の方向に私の手を掴んで歩き出した。



「み、緑くん……?」






家まで帰る途中緑くんは一回も口を開かなかった。
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