緑くんに告白されて。




「緑くん、おばさんのお供物持った?」


「うん、大丈夫」



私たちは今から、翠くんのお母さんのお墓参りに行きます。


お墓は少し遠いところにあって、電車を何個か乗り継いでいく。

いつもは、お兄ちゃんかおじさんが運転する車で行くんだけど、今回は2人だからそれはなしだ。









電車に乗ること2時間。



最寄えきについてから、歩いてお墓の場所に行く。



「ついた」



そう言ってお墓の前に立ち尽くしている緑くん。



「1年ぶりだね」



周りから見ると、“もう5年”かもしれないけど、緑くんにとっては“まだ5年”。



「大丈夫?」


「うん、橙がいてくれるから」


「そっか」



おばさん、緑くんは私に任せてください。

私は、心の中でそう話した。





< 55 / 64 >

この作品をシェア

pagetop