緑くんに告白されて。
「緑くん、おばさんのお供物持った?」
「うん、大丈夫」
私たちは今から、翠くんのお母さんのお墓参りに行きます。
お墓は少し遠いところにあって、電車を何個か乗り継いでいく。
いつもは、お兄ちゃんかおじさんが運転する車で行くんだけど、今回は2人だからそれはなしだ。
電車に乗ること2時間。
最寄えきについてから、歩いてお墓の場所に行く。
「ついた」
そう言ってお墓の前に立ち尽くしている緑くん。
「1年ぶりだね」
周りから見ると、“もう5年”かもしれないけど、緑くんにとっては“まだ5年”。
「大丈夫?」
「うん、橙がいてくれるから」
「そっか」
おばさん、緑くんは私に任せてください。
私は、心の中でそう話した。