緑くんに告白されて。
卒業式
「以上で、紅葉総合学園高等部、卒業賞与授与式をおわります」
今日は、私たちの卒業式。
私の両親も、緑くんのお父さんも今日は来ている。
「2人とも、卒業おめでとう。緑もこんなに立派になって……」
緑くんのお父さんがそう言いながら泣いている。
「泣くなよ、父さん」
そういう緑くんはさっきまで女の子に囲まれていて、写真を撮ったり卒業アルバムにメッセージを書いたり。
制服が学ランだからボタンをねだる人や、中には学ランを欲しがる人もいたり。
「緑くん人気者だったね」
「何?ヤキモチ?」
「そ、そういうのじゃ…!」
私はただ、緑くんは私のものだって思っただけだもん……。
「大丈夫、俺はずっと橙のものだよ」
恥ずかしいセリフを真顔で言う緑くん。
そんなこと言われたら、顔が真っ赤になっちゃうじゃん。
「ねえ橙」
「ん?」
「キスしてもいい?」