緑くんに告白されて。
「だ、だめだよ。お母さんたちもいるし……」
人気者の緑くんだもん、目立ちまくりだよ。
「最後だよ?」
「そんなこと言われたら断れないじゃん!」
緑くんが顔をニヤニヤさせている。
いつもの意地悪な悪い顔。
「せっかくだし」
そう言って緑くんが私のことをお姫様抱っこした。
「こ、これ……!」
「いや?」
「嫌じゃな…い…」
「ちゅーしてもいい?」
「だから聞かな……!」
“聞かないで”を言い切る前に私と緑くんの唇が重なった。
卒業式、校門前。
私たちは、たくさんの人たちが見ている前でキスをした。