緑くんに告白されて。
「ほらほら、そろそろ本当に起きて!」
桃を無理やり抱き起こして、朝ご飯が用意してあるリビングへと向かった。
「ママ…おはよう」
桃は食べ物が目の前にくると、スッと目を覚ます。
「おはよう。ご飯食べたらととのところ行って寝癖直してもらってね」
「うん……」
緑くんは、大学で経営学を学んで卒業した後会社を設立した。
仕事は、商談や接待以外ほぼ在宅ワークをしていて、藍と桃の面倒をしっかり見てくれている。
私はというと、今も弓道を続けていて近くの高校のコーチをしている。
大会にはたまに緑くんと出たりもする。
今更だけど、私と緑くんは大学を卒業してすぐに結婚した。
だから、今年で結婚して6年目。
私の旧姓が岡園だったんだけど、緑くんの苗字も丘園だから結婚しても何も変わらずだった。
お兄ちゃんは、まさかの翠が通っていた幼稚舎の先生と結婚して藍と桃と同い年の子供がいる。
弁護士になったお兄ちゃんは、今緑くんの会社の専属弁護士をしていたりする。
翠は、今はまだ中学生なのにモデルをしていて、成長するに連れて緑くんにどんどん似ていっている気がする。