クールな君と愛しすぎる僕
「急にどうしたの?」

「寧音ちゃんと離れたくないの」

「登羽…」

「お願い……!ずっと傍にいて?」
抱きつき肩に顔を埋め、すがるように言った登羽。



登羽がそう望むのなら、寧音に断る理由なんてない。

寧音だって、登羽に日に日に惚れていたのだから━━━━━━

物腰が柔らかく、賢い。
何よりも、笑顔がとても可愛くて綺麗な登羽。
寂しがり屋ではあるが、寧音を一途に想い大切にしてくれる。

そして感情を上手く表せない寧音に、いつも同じ態度で接してくれるから。




「━━━━━━だったら、二人で住む部屋探そうか?」
ゆっくり、登羽の頭を撫でながら言った寧音。

「え?」

「ここ、ワンルームで狭いし、もうすぐ更新日だしどっちにしても引っ越そうって思ってたの」

「え?ここで十分だよ?
僕は、狭い方が好き!」

「え?でも、登羽は在宅の仕事してるわけだし」

「うーん…
寧音ちゃんがどうしてもって言うなら構わないけど、その代わり━━━━━━」



次の日、不動産会社に向かった登羽と寧音。

(1DK…)
「登羽。
二人で住むには、間取りが…」

「じゃあ、引っ越さない!」
「え?」

「これでも、寧音ちゃんの意向に近づいてるんだよ?
でも、ここまでが限界!」

今まで住んでたアパートよりは断然広く、綺麗な部屋。
あんな狭いアパートに二人で住むよりは良い。

そう思い、寧音は了承するのだった。


そして二人は同棲を開始し、今に至るのだ━━━━━
━━━━……………



「━━━━はい!寧音ちゃん、バンザーイ!」
風呂に入って寝ようということになり、一緒に風呂場に向かった。

寧音の服を脱がす、登羽。
裸にして、今度は寧音に自分の服を脱がすように要求する。
「脱がして!」

そして風呂に入り、寧音を包み込むようにしてベッドに横になる。
登羽の腕の中から見上げると、幸せそうに微笑んでいた。
「登羽」
「ん?なぁに?」

「登羽の笑顔、綺麗ね」
「フフ…だって、寧音ちゃんが大好きだから!
だから、綺麗な笑顔なんだよ?」

「そっか」
「寧音ちゃんの笑顔も綺麗だよ!
僕のことを想ってくれてる笑顔!」

「そうかな?
でも私、あんまり笑えないし……」
「そんなの関係ないよ?
僕にはわかるよ?
寧音ちゃんが笑ってるかどうか。
表情に出てなくてもわかる!」

「そっか。
ありがとう、登羽」

「うん!
はい、寧音ちゃん!
いっぱいチューして寝ようね~!」

そう言って登羽は、口唇を寄せた。
< 12 / 36 >

この作品をシェア

pagetop