クールな君と愛しすぎる僕
寧音達が“もうそろそろ解散しよう”言い出したので、登羽と晴彦は先に出た。
外で待ち構える為だ。
しかし同僚三人は出てきたのだが、なかなか寧音が出てこない。
「なんでー?」
「便所とか?」
「じゃあ、見に行ってみる!」
登羽がトイレを向かうと、案の定寧音がいた。
しかも、男性客にナンパされていた。
「………」
登羽は、ゆっくり寧音に近づく。
「━━━━ちょっ…離してください!」
「俺、良い店知ってんだ!
行こうよ~!」
「結構です!」
「そんなこと言わずに━━━━━━」
パシッと男の手を掴む、登羽。
「「え?」」
男と寧音が同時に登羽を見る。
「やめてよ!気安く寧音ちゃんに触んないで!」
「は?お前、何なの?
つか、手ぇ離せ!いてぇよ!!?」
「やだよ。
この手、使えなくしなきゃ!
僕の寧音ちゃんに触ったんだから!」
「は?お前、何言って━━━━」
グッと男の耳元に顔を近づけた、登羽。
そして、耳打ちした。
「いい?
選択肢をあげるよ?
寧音の手を触った手を折られるのと、寧音を見た目を潰されるのと、寧音に話しかけた喉を潰される。
さぁ、選んで?」
「………」
登羽の声のトーンは高いが、重い声と恐ろしい雰囲気に後ずさる男。
何より……登羽の言葉が嘘ではないことがわかる、ただならぬ気配に、そのまま登羽の手を振り払い、逃げるように立ち去った。
「あーあ…逃げちゃった!」
「………登羽…」
登羽の雰囲気が恐ろしくて、恐る恐る声をかける寧音。
「はっ!寧音ちゃん!!!大丈夫!?」
ハッとしたように登羽は、寧音の顔を覗き込んだ。
「うん。
それより、どうして登羽がいるの?」
「もうそろそろかなって、迎えに来たの。
でも同僚の人は出てきたのに、なかなか寧音ちゃんが出てこないから!」
「トイレに行って帰るからって言って、別れたから。
ごめんね。心配かけたね」
「ううん!帰ろ?
僕、スッゴく会いたかったんだから!!」
登羽は、寧音を閉じ込めるように抱き締めた。
店を出ると、晴彦が待っていた。
「登羽、いた?」
「うん」
「ん?
登羽、こちらは?」
「ん?あー、はる」
「“はる”?
…………あ!この人が、はるさん?」
(あの、ハートの絵文字の!)
「どうも」
「あ、こちらこそ。
初めまして、関水 寧音です」
丁寧に頭を下げる、無表情の寧音。
てか……ほんとに、ニコリともしねぇんだ(笑)
おもしれぇ、女!
晴彦はそんなことを考えながら、寧音を見下ろしていた。
晴彦と別れ、登羽と寧音は指を絡め合って繋ぎ帰りの夜道を歩く。
「登羽」
「ん?」
「今日は、ありがとう」
「ん?」
「許可してくれて」
「ううん!
でも、僕よく我慢したでしょ?
だから帰ったら、いっぱいチューして?」
「うん、わかってるよ」
そう言って頭を撫でると、登羽は“フフ…”と笑って、嬉しそうに顔をほころばせた。
「…………登羽は、夕飯何食べたの?」
「うーんと…
…………あれ?
覚えてない」
宙を見上げて考える。
「覚えてないの?
てゆうか、ちゃんと食べた?」
「食べたよ」
でも、本当に思い出せないのだ。
寧音のこと以外は、どうでもよくなっていた。
外で待ち構える為だ。
しかし同僚三人は出てきたのだが、なかなか寧音が出てこない。
「なんでー?」
「便所とか?」
「じゃあ、見に行ってみる!」
登羽がトイレを向かうと、案の定寧音がいた。
しかも、男性客にナンパされていた。
「………」
登羽は、ゆっくり寧音に近づく。
「━━━━ちょっ…離してください!」
「俺、良い店知ってんだ!
行こうよ~!」
「結構です!」
「そんなこと言わずに━━━━━━」
パシッと男の手を掴む、登羽。
「「え?」」
男と寧音が同時に登羽を見る。
「やめてよ!気安く寧音ちゃんに触んないで!」
「は?お前、何なの?
つか、手ぇ離せ!いてぇよ!!?」
「やだよ。
この手、使えなくしなきゃ!
僕の寧音ちゃんに触ったんだから!」
「は?お前、何言って━━━━」
グッと男の耳元に顔を近づけた、登羽。
そして、耳打ちした。
「いい?
選択肢をあげるよ?
寧音の手を触った手を折られるのと、寧音を見た目を潰されるのと、寧音に話しかけた喉を潰される。
さぁ、選んで?」
「………」
登羽の声のトーンは高いが、重い声と恐ろしい雰囲気に後ずさる男。
何より……登羽の言葉が嘘ではないことがわかる、ただならぬ気配に、そのまま登羽の手を振り払い、逃げるように立ち去った。
「あーあ…逃げちゃった!」
「………登羽…」
登羽の雰囲気が恐ろしくて、恐る恐る声をかける寧音。
「はっ!寧音ちゃん!!!大丈夫!?」
ハッとしたように登羽は、寧音の顔を覗き込んだ。
「うん。
それより、どうして登羽がいるの?」
「もうそろそろかなって、迎えに来たの。
でも同僚の人は出てきたのに、なかなか寧音ちゃんが出てこないから!」
「トイレに行って帰るからって言って、別れたから。
ごめんね。心配かけたね」
「ううん!帰ろ?
僕、スッゴく会いたかったんだから!!」
登羽は、寧音を閉じ込めるように抱き締めた。
店を出ると、晴彦が待っていた。
「登羽、いた?」
「うん」
「ん?
登羽、こちらは?」
「ん?あー、はる」
「“はる”?
…………あ!この人が、はるさん?」
(あの、ハートの絵文字の!)
「どうも」
「あ、こちらこそ。
初めまして、関水 寧音です」
丁寧に頭を下げる、無表情の寧音。
てか……ほんとに、ニコリともしねぇんだ(笑)
おもしれぇ、女!
晴彦はそんなことを考えながら、寧音を見下ろしていた。
晴彦と別れ、登羽と寧音は指を絡め合って繋ぎ帰りの夜道を歩く。
「登羽」
「ん?」
「今日は、ありがとう」
「ん?」
「許可してくれて」
「ううん!
でも、僕よく我慢したでしょ?
だから帰ったら、いっぱいチューして?」
「うん、わかってるよ」
そう言って頭を撫でると、登羽は“フフ…”と笑って、嬉しそうに顔をほころばせた。
「…………登羽は、夕飯何食べたの?」
「うーんと…
…………あれ?
覚えてない」
宙を見上げて考える。
「覚えてないの?
てゆうか、ちゃんと食べた?」
「食べたよ」
でも、本当に思い出せないのだ。
寧音のこと以外は、どうでもよくなっていた。