死体写真2
☆☆☆

1日目の今日は1時間だけ勉強をして、夕食作りと風呂掃除に分かれることになった。


「俺料理なんてしたことない」


広いキッチンで不安そうな顔をしているのは大河だ。


てっきり男子は掃除に回るものだと思っていたのだけれど、『意外と考え方が古いな』と先生に笑われてこっちへ回されてきたのだ。


大河の他に男子は豊も匠もいる。


毅や哲也に料理をお願いするよりはずっとやりやすいメンバーだった。


料理に慣れない大河たちに教えながら作ったのはカレーライスとサラダだ。


こういう場所で一番手っ取り早く作ることができて、美味しい食べ物の定番だった。


みんなで料理をかこんで食事をしていると、知らない間にスマホの電波がないことなど忘れてしまっていた。


もちろん、1年前のあのことも。


結は笑いに包まれた空間に安心して、無邪気に笑っていたのだった。


このときまでは……。
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