死体写真2
匠の過去
どうして毎日学校に行かないといけないんだろう。


よく晴れた春の日差しの下、匠は乗らない気分で学校へ向かっていた。


歩幅は自然と狭くなり、時々立ち止まってしまう。


どうにか3年生に進級した匠だったが勉強は大嫌いだった。


かといって運動ができるわけでもないし、どちらかといえばずっと家にいてゲームをしていたいと思っている。


けれど高校に入学してしまったからそれもできない。


中学卒業と同時に引きこもりになればよかったんだ。


匠は常々そう感じるようになっていた。


その原因のひとつが学校生活にある。


「よぉ匠くぅん!」


教室に入ってすぐに馴れ馴れしく肩を組んでくるのはクラスメートの毅だ。


毅とは別に仲がいいわけじゃないのに、匠のことを見つけるとすぐに近づいてくる。


「今日の昼ごはん代がないんだよねぇ。ちょっと貸してくれねぇ?」


至近距離でそう頼まれると断れない。


断ればまた放課後の呼び出し、休日家へのおしかけが始まるだけだ。
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