死体写真2
「殺してくれるかな……?」


「交渉次第だと思う」


なにも得がないのに人殺しなんてするはずがない。


それ相応のものを渡さないといけない。


「私、お金とか持ってない」


静の視線が私物の荷物へとうつる。


中に入っているのはお菓子やドライヤーや化粧品などで、とても毅たちが動いてくれるとは思えないものばかりだ。


「あると、ひとつだけ」


美幸が真剣な表情で静を見つめる。


「え?」


首をかしげる静の、細くてしなやかな体を見つめる。


胸は大きく、ウエストはキュッとくびれていてそれを静も自慢にしている。


派手で遊んでいるように見える静だけれど、付き合った経験はほとんどない。


「嘘でしょ、なに考えてるの?」


静は自分の体を抱きしめて左右に激しく首をふる。
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