死体写真2
はじめてはちゃんと好きになった人と。


そう決めていた。


この人がいいと思わないと、一線を超えるようなことはしないと決めていた。


「死にたいの?」


美幸の言葉に全身に鳥肌が立つ。


死という単語がやけにリアルに鼓膜を揺るがし、次に恐怖心がつま先から這い上がってくるのがわかった。


明日の今頃には自分は死んでいる。


そう考えると今まで守ってきた貞操なんてどうでもよくなってきてしまう。


「行こう。それしかないよ」


美幸の言葉に静は頷くこともできずに、俯いたのだった。
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