死体写真2
「アドレスに登録されているかどうかは無関係なのか?」


大河が難しい表情で呟く。


そうなのかもしれない。


登録されていてもされていなくても、電波がなくてもあっても関係なく死体写真は届くのだ。


そうなると、回避する方法はただひとつ。


誰かを自分の身代わりにして殺すことだけになってしまう。


「なんだよそれ。それじゃ俺たち助からないってことかよ」


豊が声を震わせる。


自分が死ぬか、誰かを殺すか。


選択肢はそのふたつだけだ。


絶望的な気分が食堂内に垂れ込める。


毅と哲也はさっきからイライラしたように貧乏ゆすりを繰り返している。


その微かな音が更に神経を逆なでしていく。


この場の雰囲気に耐えかねたように美幸が立ち上がり、食堂を出ていく。


1人にならないほうがいいと呼び止めようと思ったが、結は思いとどまった。


どこにいたってどうせ外に出ることはできないのだ。
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