死体写真2
いつの間にか誰かを殺す算段をしている自分に気がついて強く身震いをした。


そろそろ戻らないと怪しまれる。


そう思って立ち上がったときだった。


教室内に誰かの気配を感じて美幸はハッと息を飲んだ。


窓越しにスマホを見られたかもしれない!


勢いよくガラス戸を空けて教室内を確認すると、机の隙間にしゃがみこんで隠れていた豊が姿を表した。


美幸は険しい表情を豊へ向ける。


普段の状況なら豊は敵ではないけれど、今は違う。


警戒心をむき出しにして睨みつける。


「覗き見をするつもりじゃなかったんだ」


豊は静かな声で説明した。


美幸を刺激しないように最新の注意を払っているのがわかる。


「見たの!?」


「偶然だ。美幸が1人で出ていったことが気になって、追いかけてきたんだ。やっぱり、1人になるのは危険だから」


豊は早口で言い訳をする。


美幸はなにを言われても険しい表情を崩さなかった。
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