死体写真2
今は全員が敵だ。


「死体写真が送られてきたんだろ」


その質問には答えなかった。


見たのなら、わかっているはずだ。


「力になれるかもしれない」


今度は美幸も反応を見せる。


一瞬目を見開き、それからまばたきをする。


「私の力になる?」


「あぁ。回避する方法はわかってるんだから、それを試してみればいい」


「回避する方法って、誰かを殺すってことだよ? わかって言ってんの!?」


つい声が大きくなる。


簡単そうに言ってのける豊に腹がたった。


結局他人事だからそんな風に言うことができるんだ。


しかし豊はすぐに「シーッ!」と、人差し指を口元に当ててたしなめた。


「本気で言ってるんだ。俺の話を聞いてくれ」


そう言うと豊は美幸の腕を掴んで再びベランダへ出たのだった。
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