死体写真2
☆☆☆

ベランダの窓越しに教室を確認してから、豊は話始めた。


「明日香を呼び出して殺せばいい」


「あんた、なに言ってんの?」


突然の提案に美幸は大きく息を吐き出す。


明日香は豊の恋人だ。


殺すなんてできるわけがない。


だけど豊の表情は真剣だった。


「あいつ、妊娠してるんだ」


「は……?」


豊は困ったように頭をかいて、チッと舌打ちをする。


「俺たちまだ高校生だし、受験とか就職とかあるし、子供なんて産めるわけがない。それなのにあいつ産むっていってきかないんだ」


「ちょっと待って、明日香が妊娠って、それ本当なの?」


思わず声が小さくなる。


これは誰にも知られてはいけない情報だった。
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