死体写真2
☆☆☆

豊が明日香と結のいる部屋のドアをノックしたのはその日の夜だった。


すでに夕飯を済ませてみんな部屋に戻っている時間だ。


「どうしたの豊」


突然の訪問に驚いた顔をしながらも明日香は嬉しそうだ。


不安なときだからこそ、好きな人と同じ時間長く居たいと思っていたところだった。


「ちょっと気分転換しないか?」


そう言って明日香を部屋から誘い出した豊は、美幸が待っている教室へと向かった。


「ここで話をするの?」


教室の前まできて明日香が口を尖らせる。


教室の中にはすでに5人の死体が保管されている。


中に入らずとも腐臭が漂い出てきていた。


「まさか、教室には入らないよ」


豊はそう言って廊下の真ん中で立ち止まった。


本当は教室の中に入ってしまったほうが人目につかないが、嫌というなら仕方がない。


ここで無理を言えば怪しまれてしまう。


「それで、話ってなに?」


明日香は完全に警戒を解いていて笑みを浮かべている。


その後方にある教室のドアが音もなくスッと開いた。
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