死体写真2
美幸の過去
美幸と明日香は同じ中学校に通っていた。


昔からあまり折り合いはよくなくて、特に美幸は明日香のことを毛嫌いしていた。


なにか大きな原因があるわけじゃない。


ただ、馬が合わないのだ。


「ほんっとイラつく」


教室後方で美幸は机の上に座って足を組んでいた。


美幸の周りには数人の取り巻きたちがいて、みんな明日香を敵視している。


中学時代の美幸は今よりももっとキツイ性格をしていて、それに憧れて近づいてくる生徒たちも少なくなかった。


悪いものに憧れる世代だったし、なにより美幸は綺麗だった。


綺麗で怖い印象を持つ美幸は一種教祖様的な立ち位置だったのだ。


そんな美幸が明日香のことが気に入らないというので、取り巻きたちは当然のように明日香のことを目の敵にしはじめた。


最初は明日香が話しかけてきても無視したり、陰で笑う程度だった。


だけど明日香は


その程度のことでは動じなかった。
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