死体写真2
やっぱり通じない……。


淡い期待はすぐに打ち砕かれて心が重たくなってゆく。


こころなしかさっきよりも外の風が強くなった気もして、強いメマイを感じて椅子に座り込んでしまった。


いつまでここにいればいいんだろう。


本当に助けは来るんだろうか。


今までなるべく考えないようにしてきた不安が一気に湧き上がってくる。


一度湧き上がってくるともう止められない。


結の頭の中には不安と恐怖でいっぱいになる。


「どうしよう……」


呟いて冷静になろうとするものの解決策は何も浮かんでこず、余計に心が沈んでいく。


全身から嫌なあせが吹き出してきて止まらない。


こんなところで座り込んでいる場合じゃないのに、動くことができない。


できるだけ楽しいことを考えて気分を変えようと思うのに、思い出すことはここへ来てから始まった地獄の光景ばかり。


先生が死んで、運転手さんも死んで、次から次へと仲間が死んでいく。


その死に様が順番に蘇ってきて口を手で押さえた。


気を張っている間はまだよかったのだ。
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