死体写真2
☆☆☆

過労で貧血を起こしてしまった結は、次に目を覚ました時部屋の中にいた。


「大丈夫か?」


その声に視線を向けると大河が心配そうに覗き込んできている。


咄嗟に身を起こそうとしたけれどメマイがしてすぐに布団に戻ってしまった。


「ゆっくり寝てた方がいい」


「大河がここまで運んでくれたの?」


その質問に大河は小さく頷いた。


それを見て結の頬が赤く染まる。


彼氏でもない人に抱っこやおんぶをされたことなんてない。


きっと重たかったに違いないと懸念していると「軽すぎだから、ちゃんと食べて」と言われてしまった。


その言葉にひとまずホッとしたものの、こんな風に動けなくなったことが情けない。


みんな不安な状況にいるのに、余計な心配をかけてしまった。


「今にも倒れそうなのは結だけじゃない。みんな、いつ倒れてもおかしくない」


大河が真剣な表情でそう言うので結は頷いた。


「みんな、気を張ってるんだね」


「もちろんだ。でも、結は特別しんどいと思う」

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