死体写真2
「中学校?」


結は首をかしげた。


結と明日香は違う中学校に通っていたから、互いの存在は知らなかったはずだ。


明日香と仲良くなったのは高校に上がってからだ。


「やっぱり覚えてないかぁ」


「ごめん、なんのこと?」


「夕方くらいにさ、公園からボロボロの姿で出てきた女の子がいたこと、覚えてない?」


言いながら明日香は苦い気持ちになっていく。


あの頃美幸からイジメを受けていた明日香は、1度だけ美幸の取り巻きに呼び出されたことがある。


そして殴る蹴るの暴力を受けたのだ。


後からそれはとりまきたちが勝手にやったことだとわかったけれど、今でも一番の傷として残っている。


「あ、そういえば……」


思い出したように結が目を見開く。


あのときの少女と今の明日香の姿がダブって見えた。
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