死体写真2
☆☆☆
あの時死にたい気持ちを払しょくすることができたのは、たしかに結のおかげだった。
「なんで結を逃したんだよ!」
結が部屋から出ていったタイミングで豊がパーテーションの奥から姿を現した。
「結を殺すことはできないよ」
「だけど、誰かを犠牲にしないと明日香が!」
慌てている豊に明日香は左右に首を振った。
「もう誰も犠牲にしない。美幸のことは憎んでたし、メールが届いてたからあんなことしたけど……でも、もうやめる」
「本気で言ってるのか!? まだ結を殺すチャンスはある。結がダメなら、他のやつだっていい!」
必死で説得する豊の声を聞きながら明日香は窓へと近づいた。
外は相変わらずの雨が続いていて、窓ガラスには自分の姿が写り込んでいる。
その時雷鳴が轟いて周囲が一瞬明るくなった。
そのとき窓ガラスに写って見えたのは自分の姿ではなく、殺してしまった美幸の姿だった。
真っ黒な目をこちらへ向けて憎しみを込めて睨みつけている。
それは幻覚だと理解していたけれど、明日香は目を離すことができなくなった。
窓ガラスに写っている美幸がこちらへおいでと手招きをしている。
「私はきっと、死ぬまで美幸の幻覚に支配されるんだろうね」
そっと窓に歩み寄り、手を伸ばす。
あの時死にたい気持ちを払しょくすることができたのは、たしかに結のおかげだった。
「なんで結を逃したんだよ!」
結が部屋から出ていったタイミングで豊がパーテーションの奥から姿を現した。
「結を殺すことはできないよ」
「だけど、誰かを犠牲にしないと明日香が!」
慌てている豊に明日香は左右に首を振った。
「もう誰も犠牲にしない。美幸のことは憎んでたし、メールが届いてたからあんなことしたけど……でも、もうやめる」
「本気で言ってるのか!? まだ結を殺すチャンスはある。結がダメなら、他のやつだっていい!」
必死で説得する豊の声を聞きながら明日香は窓へと近づいた。
外は相変わらずの雨が続いていて、窓ガラスには自分の姿が写り込んでいる。
その時雷鳴が轟いて周囲が一瞬明るくなった。
そのとき窓ガラスに写って見えたのは自分の姿ではなく、殺してしまった美幸の姿だった。
真っ黒な目をこちらへ向けて憎しみを込めて睨みつけている。
それは幻覚だと理解していたけれど、明日香は目を離すことができなくなった。
窓ガラスに写っている美幸がこちらへおいでと手招きをしている。
「私はきっと、死ぬまで美幸の幻覚に支配されるんだろうね」
そっと窓に歩み寄り、手を伸ばす。