死体写真2
「あと3分で始まっちゃう」


「急げ!」


結局屋上でふたりでサボるという青春映画のような展開にはならなかったけれど、ふたりはまた階段を駆け下りて教室へ向かう時間もとても楽しかった。


同じ係を経験しなければ、明日香と豊が付き合うこともなかっただろう。


そして今、ふたりは折り重なるようにして倒れている。


雨がふたりの体に叩きつけても、もう寒くはなかった。


豊が最後の力を振り絞って伸ばした手と手は、しっかりと繋がれていたから……。

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