死体写真2
「見ない方がいい」


大河にそう言われても、結は同じように窓の外を確認した。


外は相変わらずの雨で少しだけ焦げ臭くて顔をしかめる。


匂いの根源を探すように首を下に向けた瞬間、折り重なって倒れている明日香と豊の姿を目撃した。


ふたりの衣類は焼け焦げていて、そこから匂いが上がってきているのがわかる。


結は後ずさりをして窓から離れた。


「昨日の雷に打たれたんだ」


大河が唖然とした表情で呟く。


昨日、すぐ近くに落ちた音がしたのを思い出す。


施設に直撃しなかったのは、このふたりが守ってくれたからだったんだ。


結はずるずるとその場に座り込み、涙をこらえて両手をきつく握りしめたのだった。
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