死体写真2
残るは大河だけ。


大河はきっと真剣に結の話を聞いてくれるだろう。


ここへ来るまでにも結のことを気にかけて話かけてくれていたし、他のメンバーよりはちゃんと聞いてくれそうだ。


相談をするなら、大河か……。


そう考えたときだった。


不意に外の風が強くなってきたことに気がついて、結は目を空けた。


常夜灯がついた薄暗い部屋の中、カーテンの向こうへ視線を向ける。


何度から強い風が吹き付けてきて、窓がガタガタと揺れている。


ここへ来てから天気予報などのチェックができていないし、山の中の天候は変わりやすいということを思い出した。


しばらく外の様子を気にしていると、今度は窓に叩きつけるようなバチバチという音が聞こえてきた。


大粒の雨が振り始めたみたいだ。


先生に死体写真が送られてきた直後にこんな天気になるなんて……。


バチバチと激しく振り付ける雨の音を聞いて、結は布団を頭までかぶってキツク目を閉じたのだった。
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