死体写真2
☆☆☆

大河が無謀な下山を提案したのは、この施設内の女子生徒が結1人になってしまったからだった。


何日間も自由のきかない施設内に軟禁状態にされた毅と哲也の今後の動向が不安だった。


大河だって、いつ結に乱暴なことをしてしまうかわからない。


そうなる前に1度下山できるかどうか、試しておきたかったのだ。


そして無事に下山できたのなら問題はない。


途中で引き返すことになっても、疲れ果てて眠ってしまえばひとまず結は安全ということになる。


それから1時間後。


4人は下山の準備を終えて再び食堂へ集まってきていた。


来た時の不要な荷物は部屋に置いて、ペットボトルの水と食料を中心に持った。


風が強いと使い物にならないけれど、一応人数分の傘も持った。


「よし、行こう」


大河が先頭となって、4人は施設を出たのだった。

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