死体写真2
「そうだね」


足元は悪いけれどそれは注意して歩けばどうにかなることだった。


このまま下山して、そして助けを求める。


それが現実味をましていたそのときだった。


どこからかスマホの音が聞こえてきて全員が足を止めていた。


おだやかだった空気が一瞬にして氷つく。


「待てよ? 電波が通じるのかもしれない!」


気がついたように叫んでスマホを取り出す大河。


そうだ。


ここはもう太い道へ出ている。


スマホの電波があっても不思議じゃない!



思わず喜びに頬が緩む結だったが、スマホを確認した大河の表情が見る見る曇っていくのを見て嫌な予感が胸に膨らんでいく。


「どうだったんだよ?」


哲也がじれったそうに聞く。


大河はスマホ画面を見つめたまま左右に首を振った。


「いや、電波はない」


大河の言葉に全身から力が抜けていきそうになる。

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